流・nagare
2017.03.30 Thursday
昨年末、字家の天童大人氏から、「流」の書をumu-wakaのアトリエに置いてはどうかと連絡があった時、
夜空に大きな流れ星が、長い尾を携えてアトリエの南西の夜空に弧を描いた。偶然、同時刻に兵庫県に住む友人が、
同じ色の大きく長い流れ星を見たいう、不思議な出来事に、この「書」は私の手元に来るのだと思った。
しかし、この書をお迎えするのは今ではないと感じた。自身の中で曇りがなくなった時だと思っていた。
いつも絶妙なタイミングで、メッセージを伝えに現れる、シャーマンな天童さんとは、長いおつきあいになる。
umu-wakaをスタートさせる時から、お世話になっている。
本物の芸術家。日本のサロン芸術の美しい時代を知る生き字引のような天童さんは、詩人であり聲の打ち込む尊敬する芸術家。
経歴、エピソードを書きはじめたら終わらない。
そして本日は、大安吉日、旧暦の3月3日。
3月3日は、初めて神様が結婚した日。三々九度はここから生まれたと。
そんな目出たい日に、「流」が届いた。
そして、「流」と共に、届いたモノたちが凄すぎてお祝いモードが止まらない。
一つはこちら。
先日、3月28日は一粒万倍日。お財布を新調するのに良い時に注文したお財布と名刺入れが届いた。
去年購入したばかりのグリーンのお財布は、何か、もうエネルギーが終わったような感じがしていたので
新しいものを探していたら見つけたKate spadeのお猿さんシリーズ。
一粒万倍日から、新しいお財布を使い始めることが良いらしいが、間に合わなかったので、一粒万倍日にお財布と名刺入れを
インターネットで購入した。またこの日は、午前11:57がジャスト新月だったので、新月を越えてから決済した。
縁起を担ぐ私です。
こちらも「流」と一緒にヤマトさんがおとどけ。
そしてもう一つは、
純米吟醸・獅子林というお酒。こちらは、umu-wakaのお客様から届けられたお酒です。
お客様が、本当にやりたいことが見つかった時に、薦められた祝い酒だそうで、、、。
嬉しい祝いの門出のお酒のお裾分け。
何だか目出たい物づくしなお届け物が、一度にやってきた。
玄関を開けたら、大きな荷物も抱かえて顔が見えないヤマトの男前なお兄さん。
新しい流れに乾杯!!!
と、お花のような香りが匂い立つお酒で乾杯しました。
アトリエの外には、お花見舟。
今年は、桜の開花が遅れ、莟は堅く。色づき始めた桜の莟は、今週末の犬山祭りを目指して、ふくよかに準備中。
さてさて、桜のエールと共に私の花も準備を始めましょう。
新しい「流・NAGARE」と共に〜。
お誂え染め
2017.03.23 Thursday
ここのところ、遠隔のストール選びが続いている。
他にも、アトリエを訪れる方のストールの色選びのプロセスも、新しいニュアンスが加わり新しい流れの中にいると
感じる出来事が多くあります。
その中でも、今回の遠方からのオーダーは、私にとっても特別な染めとなりました。
特別な染めとなった新・釈迦誕桃色(しゃかたんももいろ)
「お誕生日にumu-wakaストールを自身にプレゼントしたい。」
と、
とても遠くに住むエレガントな女性からストールのオーダーを頂いた。
彼女とは、以前、旅の途中で3日間ほど時を共にした。静かで優しい雰囲気のマダムですが、小さなパーティーに合わせて
少し大胆なドレスを異国の地で購入して、高揚して煌めいている姿を思い出す。
彼女は、色白で柔らかいニュアンスと共に、内包する熱さを感じる女性。
オーダーのメールを頂いた時、大胆なドレスでキラキラと昂揚して色づく彼女の姿が目に浮かんだ。
そして、彼女の中に内包するターザンのような情熱的な質を、ストールの色でオーガナイズできればと思った。
真太陽色(まてりあいろ) 夏果色(なっかいろ)
私はオーラなのか、エネルギーなのか、私は遠隔でもその人の心色を見ることができるのですが、私は彼女の最近の写真を
送ってもらうことにした。
その時に感じたのは、濃いオレンジ色、真太陽色(マテリア)や、夏果色(なっかいろ)などを送りたいと思った。
彼女の日常生活を想像すると、少し派手で使いづらいかな?なんて思いながらも。
少しばかり疲れて感じた彼女にオレンジのパワーを入れてあげたいと思った。
お誕生日前は、運気の流れが変わるのか、体調を崩したり、メンタル的にきついなぁって思うようなことが起こることは
私も含め、友人知人の流れを見ていてもそう思うことが多い。オーダーを頂いたのは、彼女のお誕生日の3週間ほど前で
したから、彼女も飛躍前のドッカン!!なのかもしれ糸感じた。
オレンジ色は、レスキュー隊の洋服の色でもあるように、オレンジ色はショックを緩和する色でもあります。
そして「統合」というテーマもあります。バランスを整える。男性と女性。色んなテーマがあるオレンジ色は、
umu-wakaのストールも、昨年から多くお客様のもとへ嫁ぐことが多い。
彼女に、お薦めの色のストールの写真を何枚か送った。
濃いめのオレンジ、真太陽色、夏果色、oinari-red、夕梦色などと、
オレンジ気味のピンク色である釈迦誕桃色(しゃかたんももいろ)。釈迦誕桃色は、お釈迦様が誕生の「誕」の言葉に
込められた教えをインスピレーションを得て生まれた色。
お誕生日のプレゼントにも良いなと思って。
彼女からは、濃いオレンジ色は、今、躊躇するとのことで少し時間をおいてみることに。その間に、色んな色のストールの写真を
送った。たくさんの色群を見るうちに、エネルギー活性化するんじゃないかと思って。
そして、いくつかのやり取りの中で、釈迦誕桃色を彼女に合わせて、少しオレンジ気味に染めよう。
彼女のお誕生日当日に、私のインスピレーションで染めて欲しいということとなり
お誕生日当日を迎えました。
彼女のストールを染める前に、彼女にかけてあげたかったオレンジ色の中の王様の色、oinari-redを染めることにした。
oinari-redは、犬山にある三光稲荷神社さんへ行って、oinari-redという色名をいただきますとお願いをしてから命名した
色のストールです。
ちょうど在庫が切れていたし、地元の睦い神社さんと関わりのある色から染め始めるということは、私にとって神聖な儀式な
ようなもの。三光稲荷神社さんは、猿田彦神社と一緒の社務所で、亡き父がその猿田彦神社さんの改装も手がけたので
関わりの深い神社さんですし。
最近は若い女性にに大人気で、恋愛成就のハートの絵馬はずっと売り切れたまま。
さてさて、たっぷりの染料を図り、染め始め。
oinari-redを染めている時に、無情なことも、小さな怒りも吸い込まれていくような感覚がありました。
色んな業が鎮まっていくような。
そう、無情だな。私の中にもあった、その「無情」にさえフォーカスしてくるような。染めの鍋、火にかけた鍋の前に
30分ほど、ストールがムラにならないように、そして絹同士が擦れて白くならないようにと、優しくガラス棒で
操作しながら、湯気の中、鍋と私の空間。とても静かで密封されたような空間であったように感じています。
三光稲荷神社がある犬山城のお山に向けて、朝陽と共に染めたストールを干す。
それから
釈迦誕桃色の染料を調合して染め始めた。
精錬して、まっさらなストール布地を染液に入れると、美味しそうな桃のようなストールになった。
桃は魔除けでもありますね。百(もも)でもあり。
静かに染め始め、ぬるめの染液の中でゆっくりと時間をくぐらす。
染液を80度ぐらいにあげて20分。
「女性としての、女生の業が消える。」
女性ではなく、なんとなく「女生」の業が消える。そんな言葉が染液の中から聞こえたような気がした。
除夜の鐘が鳴って煩悩を浄化するがごとく、するぅ〜っと消えていく。
釈迦誕桃色の色言葉、人間は母親のお腹の中で育まれ、生まれ落ちた途端、自身で呼吸をし始める最初の苦。
生まれた時から苦が始まっている。そして、人間誰しも平等に訪れる「苦」。苦に執着せず、この世は架空と
思い自由に楽しく生きなさい。
ではあるものの、これからは、苦を苦とさえ感じなくなる。家、苦は訪れない。
なんだかそんな言葉が歌のように聞こえてきたような気がする。
染液の中でフリンジの糸がハート型になっていた
そのあとは、
愛情を込め過ぎて重くならないようにと、彼女の幸せを祈り染めた。
そして、不思議なことに、どれだけ染めても調合したオレンジ色の成分だけが布に入らなかった。
酢酸を入れて、染めの浴進を促すものの、最後まで、彼女にかけてあげたいと思っていたオレンジ色が
染液の中に残った。
透明なオレンジの染液は、もうすでに彼女の統合は約束されたというような気がした。
染めたストールを乾かし、数日間寝かせて、色止めをして柔軟仕上げをして完成したストールを迎えると
それはそれは、優しく美しい仕上がり。
とても優しい色なのに、強い力のある生命感を感じた。
美しいお誂え染めの時。ありがとうございます。
春分を過ぎたら〜MY WAY
2017.03.23 Thursday
春分の前日、
目覚めると寝違いをしたようで、左腕の痛みを感じる。
早めにアトリエに着くと、カーテンの隙間から溢れた朝陽がストールにあたり
真太陽色(まてりあ)のストールの上に
ビックリマーク!!!!!
ビックリマーク、私がびっくり!!!!!
所用を済ませて、家へ戻り
亡き父の大工の工場の後片付け。父が亡くなって二十数年、手付かずだった工場を本格的に片付け。
春分前に綺麗にして迎えたいと、痛みが走る腕を抱えながらも材木屋不要になったものを片付ける重労働。
片付けをしながら、もし、30代、40代の頃なら「父の思い出」と思って、捨てるに捨てられずに
いたであろうものも、50代ともなると、折り返し切ったお年頃。自分の終活の事さえ、たまに考えたりする
お年頃。残りの人生を思いっきり元気に生きて、父の場所へ行く日も遥か彼方の時ではないからと、
そんな判断基準ができたからか思い切って捨てることができた。
ま!父がチョークで書いた黒板は、父の存在として残しましたが。
さてさて
次の日は45リットルのゴミ袋を20袋、ゴミ置場に捨てに行って
さてさて、その後は、左腕が肘の高さ以上まで上がらなくなった。
眠る時も、痛みで寝返り、布団を上げる事さえ出来なくなった。
お彼岸のお墓参りに行くこともできなかった。
自粛、反省。
静かに、静かにしていた。
春分が過ぎたのに
痛みとともに。
私の今の運気は、こんなものなのか?と意気消沈していると
電話が鳴った。大切な第二の家族とも思う生多良の息子さんからのお電話。
私にとって、生多良は父親のような存在であり、息子さんは弟のようで親友でもありたくましい存在。
4年前に、くも膜下出血で倒れ3度の手術で復活した生多良と、リハビリを兼ねながら染めてきた3年。
昨年は、少し健康状態が悪くなり色々な問題が生じた。複雑な消化できないほどの重荷や色んなものに覆われた
昨年の私だったのですが、その電話で、色んなものが溶けて行った。
そして、そこには、「愛」、愛情たっぷりの時がたくさん続いていることを確認した。
たくさんの感謝と祈り。
そして、その日の夜は静かに眠った。
目覚めると、腕の痛みがきれいに消えていた。
無理は禁物と思いながらも
色止め、柔軟仕上げとか、仕事がたっぷりと残ったストールの水仕事を始めた。
爽やかに気持ち良かった。お天気も春らしく心も軽やかだった。
そんな時、ジプシーキングスのマイウエイが流れてきた。
ああ
本当にスタートしたんだ、晴れ晴れ始まったなだと感じた。
そして
父。
私の中の父との統合。
父のような存在であった生多良、会ったことがない生みの父親の死は、生多良のくも膜下出血で復活した翌年だった。
そして、23年前に亡くなった父の工場、手つかずの工場を片付けて、そして、その日の電話。
なんだか、全ての父、私自身の中にある「父」という存在が全て統合されたようにも感じた。
春分明けは、MY WAY。
人生後半のステージが始まった。
クリスタル・スペクトル詣(もうで)
2017.03.14 Tuesday
吉岡徳仁 スペクトル@資生堂ギャラリー https://www.shiseidogroup.jp/gallery/exhibition/
日本全国各地の様々な色の泥を染めたいと、研究&探求&実験な日々は、グーグルマップで地図を検索していても、その土地の
土の色が気になり、インターネットの画面は全国土ツアーとなっていた。そしてその流れから、お化粧、白粉(おしろい)
の探求&歴史へと。。。そんな日々が続いていた中、友人がアメリカ・ツーソンで買い付けたクリスタル、ミネラルのコレクション
を開催するとのことで上京した先月。
ポーラギャラリー、資生堂ギャラリーで開催されていたインスタレーションへも足を運んだ。
友人のミネラルコレクションから始まり、ポーラギャラリーでのガラスのインスタレーション、資生堂ギャラリーの
スペクトルのインスタレーション、そして七色白粉collectionと訪れた4箇所が、全て自身の中で観ていたものと
シンクロして、まるでトータルコーディネートされたような流れだった。
まるでクリスタル・スペクトル神社に、詣でて来たような。
クリスタル・スペクトル詣(もうで)の後は、染め三昧。気づくと日付をまたいで2日間ぶっ通しで染めていることもある。
なので、現在はアトリエが染めたばかりのストールで、光のスペクトルのようになっている。
unica→ http://unica.link
長い時の中で結晶化した美しい色や形。想像を超えるその時の中の物語が、手が届かない場所で色や光となって存在する
鉱物たち。これ以上の芸術はないよ。と。自然のままのクリスタルやゴールデンカルサイト、瑪瑙などなど
色の言葉の通訳人として幾つかの石を迎えた。
https://www.hexaproject.com/portfolio/mika_aoki/
ポーラギャラリーでは、ガラス作家・青木 美歌 「あなたに続く森」のインスタレーション。
菌類、ウィルス、細胞等、ガラスで製作されたモチーフたち。
そのガラスのモチーフたちが、私の細胞やDNAに問いかける。
太古からすでにある自身のDNA、そして未来へと根を伸ばそうとする私の細胞。
その触手を伸ばし未来を創造していた。
いつか、この日の景色を、私のDNAは思い出すのだろうか?
そんな予感と覚悟の中、銀座の雑踏の中、資生堂ギャラリーへと向かう。
吉岡徳仁・スペクトル@銀座資生堂ギャラリー
その後資生堂ギャラリーにて「スペクトル・吉岡徳仁」インスタレーションへと。作品の椅子に座って、スペクトルの光を
感じる。今までの作品の流れの動画を見る。繊維樹脂を結晶化せ作品作りをする光景とともに、私の脳内にも結晶が伸びる
ようだった。クリスタル・結晶・光、何か全てが繋がっているようだった。
光/白粉/アール・デコ1917-2017
資生堂ギャラリー近くにある資生堂銀座ビルで開催されていた、七色白粉百周年記念の展示会を偶然に知り訪れた。
ここのところ白粉の歴史を調べていただけに、まるで用意されていたような流れに感激する。
このクリスタル・スペクトル詣となったこの日は、まるで未来の地図のようにも感じる。
umu-waka第二創業時を迎え、私自身が惹かれる、いえ、夢遊病者のごとく憑かれるように進む場所やコトが点となり
その点が広がり、繋がり、未来へと進む。
unicaの友恵ちゃんが買い付けたゴールデンカルサイトは、染めナビゲーションお守りとして染め場におきました。