紅紫色の中に.....。
2016.04.29 Friday
ここ数日のあいだ、ずっと紅紫色の中にいたような気がします。
なんだか、紫色が染めたくて染めたくて
幾色も幾色も紫色ばかり染めていました。
ひとつの
ある色の赤紫色を幾色かの染料を混ぜてつくったある色。
100度を超えて、ずっと煮込みながら、色の中を見ると美しい紅色を見る。
やはり赤は、「wait!」
染液の温度を上げて行き、煮たぐらしながら、最後に入ってくる色は、いつも紅、赤色だ。
純粋な、その赤い色の光の中、
何かしら自分の内側にある、本能を観るような気がした。
紫色は変化を表す色と。
ここ半年の間に、ふつふつと起っていた、水面下で何かが、その状況が変わって行っていたことが
空気が変わるように、誰も顕在意識の中では気づかず遂行していた模様が
今、わかるような気がする。
花掛紫色・hanakakemurasaki-iro
空掛紫色・sorakakemurasaki-iro
この二つの色群が生まれた背景は偶然のことだった。
トルネードの雲がかったその日々を思い出す。
明るい太陽の中、それぞれの営みがあって、笑い、泣き、眠り、景色を見ていた。
そんな日々は、まるで前世のことのように。
一つの時点で
それは、対極.....? 45度.......? 75度.......?
景色や営みは潮流が変わるがごとく流れゆき、呼吸をする。
初めて生多良の染め工房に行ったのが2007年。
「wakaさん、何か好きな色を染めてみよう。」
その時に染めた色は紫色だったなぁと思い出す。
2007年生多良工房で初めて刷き染めをした日の紫色
思い返すと、いつも紫色から何かが始まっている。
幼稚園児の頃、紫色が好きで、紫色の絵ばかりを描いていた私を心配した
絵画教室の画家の先生は、母を呼び出し「子供が紫色を好むとは、少し心が心配です。」と言っていた。
それから私は、ピンクや水色の絵を描くようにした。
幼稚園児のくせに、きっとピンクや水色を使って描けば大人は安心すると思ったから。
気遣う紫色の子供の始まりだった。
100度を超えても煮込み続け、染液の残液に赤色を残さぬよう
最後まで赤を入れこんで、新しい紅紫色を染めた。
幼稚園児の頃、好きだった紫色は青味がかった藤色のような紫だった。
今は、「赤」をしっかり入れ込んだ濃いめの紅紫色。
穏やかに新しい先を観るような気がした。
美しい色を、こういう時だからこそ、美しい色を奏でるのです。2011年3月、223色のストールと共にあった日を思い出します。
2016.04.16 Saturday
2011年3月、東日本の震災の直後、3月16日から1週間、私はumu-wakaストールフェア
のイベントで三越松山店に入ることが決まっていました。
地震直後、テレビのニュースに心を痛めながら、ストールフェアの準備で美しい色の
ストールたちをパッキングしていると、自分が不謹慎なことをしているようで、
たくさんの美しい色の中にある自分にさえ心を痛めていました。
当時のブログ→http://umu-waka.jugem.jp/?eid=497
けれど、こういうう時だからこそ、元気がある地域は明るく日常の営みや仕事をして
日本を盛り上げていくことが大切と、親しい人に言われ、その通りと思い
223色のストールを持って三越松山店へと入りました。
http://umu-waka.jugem.jp/?eid=501
百貨店の店頭に立つと、お客様も同じような気持ちの方がたくさん。
法事、お使いものでデパートに買い物に来たけれど、こんな状況の中でデパートに来る
自分が許せないと涙するお客様。
テレビのニュースで鬱病になってしまった友人を、デパートで綺麗な色を見せて
元気付けようと来られたマゼンタ&ブルーの双子のようなマダム。
→ http://umu-waka.jugem.jp/?eid=503
だからこそ
元気に店頭に立ち、umu-wakaの美しい色たちで復興と思い、松山の後も
街灯の消えた新潟のデパートの店頭に立ったこと思い出しました。
だからこそ
今、この時に美しい色をたくさんアップしようと思います。
美しい人
2016.04.16 Saturday
白泥染め麻ストール
今回の神楽坂でのExhibition
北の遠くの遠くの北海道の佐呂間から美しい女性がお越しくださいました。
まるで白の妖精。
愛おしそうに白泥染めのストールを見つめる美しい女性(ひと)の姿に、私は矜持を正されました。
こんなに愛おしく慎ましやかにストールを手に取っていただくこと。
感謝。
白泥染めのストール麻、
白泥染めストールの竹、
白泥染めのストールシルク&竹、
白泥染めストールのシルクカシミアたおやか
白泥染めストールのシルクカシミアうるわし。
様々な白泥染めのストールを纏うたびに
観音様のようなニュアンスになったり、神々しく美しくと様々に変容を遂げる
美しい女性(ひと)は、羽衣遊びをする天女のようでもあり。
ギャラリーの皆々、共にあまりの美しい光景の全容を見ようと遠くまで離れ
時にその美しい変容に涙したり、手を合わせたり。
見ているギャラリーの私たちが浄化されていくようでした。
美しい映画、いや美しい次元を垣間見たような特別な時でした。
こんなに美しい時を紡ぎだすストール。
美しい心と魂で染めていくこと。
手がけさせて頂いていることにも感謝、ありがたい気持ちでいっぱいになりました。
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Exhibitionで札幌は訪れるのですが、北海道は札幌泊まりで遠くへは行ったことがありません。
美しい人がお土産と一緒に、佐呂間の案内を持ってきてくださったので
その地図を見ながら、テレビでしか見たことがない北の方の海を想像しました。
まだまだ、私が見たことがない美しい色合いが、佐呂間の海に空にはあるのでしょう。
美しい人が暮らす佐呂間が見たい。
県営の名古屋空港からは、佐呂間近くの空港への直行便があることに気づきました。
でも佐呂間へは、その空港から車で、まだまだ45分もかかるもよう。
そんな遠くから、umu-waka Exhibitionのためだけに来られたとは.....。頭が下がります。
まだ知らぬ美しい人が暮らす佐呂間。
訪ねたい。
その美しいその自然の中にある美しい人の姿を見たい。