時代を知らせる龍郷柄の赤
2015.08.30 Sunday
大島紬を代表する龍郷柄。
龍郷柄は大島紬誕生地、奄美大島の山の神様の守り神のハブと
蘇鉄の柄です。
龍郷柄の中にある赤は、蘇鉄の実を表現しているのですが、
この赤色は、時代とともに変化してきました。
朱赤、臙脂色....。
安価な韓国製品が出た時代は、嫌みのある赤色の龍郷柄でした。
最近はピンクがかった色の傾向になっていますが、
その赤を見ると、どの時代に織られたのかがわかります。
時代を知らせる赤。
蘇鉄
今回のExhibition在処・arikaでは赤を集中して染めました。
新しい赤色群だけで19種類、既存の赤色を加えると更に色数は増します。
今回のExhibitionでは、14グループの赤色群だけをディスプレイします。
ギャラリーは赤で溢れます。
新しい試みとなるumu-waka Exhibition在処・arika。
新しい時代へとの序章となるでしょう。
女性として日常の中にある特別な儀式の時・紅を点す時。紅を惹く時。
2015.08.25 Tuesday
口元に紅を点す。
一目惚れで注文していた板紅のコンパクトが届きました。
24金メッキに珊瑚と真珠の飾りのコンパクトには、
魔除けと子孫繁栄の祈りがこめられています。
紅を点す。
江戸時代の女性の口紅、板紅は美しい容器に入れられていました。
紅職人が、伝統の技法、秘技で板紅をつくる。
紅餅を漬ける、紅の抽出、紅の採取、紅を刷る。
玉虫色の紅を、水で湿らせた筆にとり
水の分量で淡い桜色から深紅へと変化する。
紅を点す。
女性として日常の中にある特別な儀式の時。
今年の秋は、久しぶりに真っ赤な口紅を点したいと思い
たまたま出会った、フランス製の無添加オーガニック口紅。
真っ赤な口紅と、ボルドーの口紅を買った。
板紅は、
まだ、もったいなくて使えないしと
フランス製のオーガニックな赤い口紅を惹いた。
口だけがパクパクするような存在感。
この秋は
ちょっと奇麗を頑張ろうと思った。
ボルドーの口紅は
何だか、若い頃の中森明菜を思い出す。
彼女の若い頃は、
私も若い頃。
若い頃は、
ボルドーの口紅色は、
まったくもって、遠くの大人のイメージだった。
大人過ぎる50代になって
ボルドーの口紅を惹いても大人になったような気がした。
口紅を点す。
くちべにをさす。
口紅を惹く。
くちべにをひく。
特別な儀式の時の「けじめ感」が違う。
今の私の「けじめ感」は惹くことだろうか。
どちらにも「覚悟」は必要だけれど、
口紅を惹く覚悟から、口紅を点す覚悟を
早く味わいたいと思う。
わたし。
umu-waka Exhibition在処・arika
万葉集には紅色に思いを寄せた歌がたくさんあるので、
紅色は「おもひいろ」といわれた。
紅色だけでも色んな紅い(おもい)がある。
紅い口紅一本で、
美しくなろうと思うマジック。
紅を点すことで、心の決断に委ねる乙女心と身体。
umu-wakaの紅色で
どれだけの美しい魔法が生まれるのだろうか?
9月1日はお江戸入り。
どこまで色言葉が準備できるでしょうか。
綺羅紅色・kirabeni-iro
2015.08.21 Friday
今回の染めで
最初に染めた色が「綺羅紅色・きらべにいろ」です。
20歳の誕生日の時にプレゼントをされたCHANELの深紅の口紅。
定番のルージュ・ココのみずみずしい透明感のあるタイプではなくて
ボディー本体もスリムサイズで、ルージュアリュールの初期タイプだった
のだろうと思うのですが、こっくり濃くて、唇に乗せると、パッと発色する
深みのある、美しすぎる「深紅」という名がピッタリの口紅でした。
金色の細い入り口から、その深紅の口紅を紅筆でとる。
20歳の私には、まだ知らぬ大人の女性の世界。
あの深紅の口紅。大事に大事に使っていたので、使い切る直前の状態で
大切にしまっておいた。最後に確認したのは5年ぐらい前かな。
その「深紅」を染めたいと、
生多良に話すのですが、焼酎には詳しいが、そのCHANELとか
女性の秘密の魅惑の扉の先は、生多良にとっては宇宙の果てのお話。
その色の口紅をつけると、
どんな女性も、心の中は、こんな女性になったような気分になるの。
女性を謳歌する。
たとえ、太っちゃったり、日常が潤ってなくても、
この色を纏うと、誰もが、ヨーロッパの女優。
ハリウッドの女優はなくて、ヨーロッパの女優になるイメージ。
と。たくさんお話をした。
綺羅紅色。kirabeni-iro
あの時の20歳の誕生日にプレゼントされたCHANELの深紅の口紅。
黒いキャップを取って、ゴールドの縁から深紅の口紅を取る。
唇の上にのせると、ぱっと発色する。
しっかりと唇にまとわり、唇が憧れの大人女性になる。
綺羅紅色は、纏うと、内側に大切にしまってある
私という女性が綺羅綺羅と輝き、発光する。
さて
じきに迫ったumu-waka Exhibition 在処・arika
綺羅紅色を纏った方から何を感じるのでしょう。
お会いできる日を楽しみにしています。
umu-wakaも私も赤づくしです。
2015.08.17 Monday
実家のリノベーション工事が11月から始まる。
工事をを始める前の地鎮祭をお願いしようと神社へ。
父が改装を手がけた猿田彦神社、
針綱神社と両方の空き状況を確認。
いよいよ始まるなと実感が湧く。
神社の鳥居の赤、
お稲荷さんの赤、
巫女レッドも染めました。
赤づくしです。
umu-wakaも私も。
お稲荷レッドは、とってもモードな雰囲気に仕上がりました。
woo-meレッドと並んで人気色になりそうです。
さてさて引っ越して半年、
やっと本日、アトリエの棚がやっと完成。
キッチンとの境に、ポリカーボネートで壁をこさえた。
23年間、デコレーター(ディスプレイコーディネーター)をしてきた
自分の歴史に感謝♡
やっとアトリエが80%ほど整ったので
これでやっと心置きなく集中してExhibition準備ができる。
明日からスタート。
今回の「在処」&「赤」は長いテーマになりそうです。
来月の神楽坂でのExhibition、在処・arikaは序章かな。
在処&赤は深いです。
ずっとその中を潜りたい。