本当のリノベーション
2017.05.04 Thursday
脱皮を確認した次の日は、東京からのお客様。
遠くから足を運んでくださる。なんてありがたいこと。
地元の私と同じ年の名鉄犬山ホテルへお客様をお迎えに行くと、ホテルは変わらぬ美しい佇まい。
陶器の壁やガラスシャンデリアも当時の作家さん製作で美しく時を重ね、地元の財産だと思うと共に、遠くから足を
運んでくださるお客様への「おもてなし」と感じると、なんとなく自分の物のようにも感じる。
ご家族で旅行を兼ねてのアトリエ訪問だったので、午前中でお別れをして、私は、そのあと、二人掛かりでの整体施術を
2時間半と超ロングx2名の手で復活体を目指したのですが、今月は、染めも根を詰めましたし、その合間の実家の家事
も頑張っておりましたので、疲れもコリもすごいだろうなと覚悟をしていたのですが、二人の先生が体を触った途端、
先生方は、笑い「見なかったことにしよう」と逃げ出したいほどの身体になっていたようで、このコリのまま
ずっと仕事を続けていたら、脳梗塞系で倒れていただろうと。同じようなコリを抱かえて、救急車で運ばれた方もいると。
そんな感じだったので、雄叫びをあげた施術の後は、やっと自分の体の痛みや疲れを感知できるようになった。
痛みを封じ込めていた蓋が開いたようで、自宅へ戻る途中もヘロヘロ。
今宵はゆっくりと休もうと思ったら、寝入り端から母に起こされる。
結局、施術後の3日間は、母の急なお達しとかで眠れない日々が続きました。
喉が痛いという母を気遣って色々と手当てをとしながらも、「ああ無情!」なこともあり。
自身も体調が悪い中、家事、母ケアをと動けば動くほど、ああ無情と休めない私。
うん、これは、神様からのお試しテスト。もう心配を手放して自分を優先さセル時期ですよ!とのお達しだな。
一人で長いこと暮らしてきた強い母だから、これぐらいの傍若無人にもなるか。
今回は、というか、すごく達観して、その「家族ドラマ」を感情が揺れることなく直視できた。
「お達し」を目を見開いて確認したようにも感じる。
地元の焼き物・犬山焼きのお茶碗。
休息のためにアトリエへ行き、宅配の荷物を待ったりしながら染めたストールの山を目にする。
疲れを知った体は、この後の色止めや柔軟仕上げや諸々の工程を想像すると、「これは一人ではできない。」
と実感。今後の染めのことも考えると、お手伝いさんに来てもらっての作業の流れが必要。
仮の染め場、作業場で、ここのところ染めていたので、作業効率を考えて大掛かりに大工仕事が必要。
染めたい気持ちを抑えて、休息しながら、今回はレイアウト図面、什器図面をこさえ、作業スケジュールを作った。
ここへ越して来て、2年半。何度もレイアウト変更をして家具移動を重ねて来たけれど、今回は、壁も作って
家具も製作する。仮の引越し先だったアトリエだったので、実家の片付けなどを優先して3年半。
実家は、片付けて修理をしても、綺麗になった途端、散らかり放題になる。イタチごっこだった実家の片付けを
諦めて、アトリエを自分の一番心地よい空間へと完成させようと決めた。
やっと引越した感。2年半かかって、心もこのアトリエに引っ越したような気がした。
実家のリノベーションとか、2年がかりで設計の先生と進めて、母の病気とかで中断したままだったが、
もしや、実家のリノベーションではなく、umu-wakaのリノベーション&私のリノベーション。
これだったんだなあと、今、やっと思う。
脱皮して、
やっと自分のスペースに着地した。
恐れという嵐から、嵐のルーチンから抜け出したようにも感じる。
いろんな恐れが原因で、自分以外のことに時間を使ってきたような数年のようにも感じる。
腹を据えて、時間がかかるかもしれないけれど憂や不安のないスペースを作り、その基盤を作り
そして心の引っ掛かりなく、飛べる準備をしようと思う。
そして遠くから足を運んでくださるお客様が、もっとくつろぐことができるアトリエを作ろう。
根を詰めすぎる句読点のように、いつもお客様がアトリエへとお越し下さる。
umu-wakaは、本当にお客様のおかげさまで、作られてきている。
感謝がいっぱい。だから、お客様が元気になる幸せパワーの色を、いっぱい染めて行きたい。