私の夏場所・千秋楽です。
2016.08.03 Wednesday
九重親方が亡くなったニュースは名古屋場所・千秋楽を終えた日だった。
今、私が暮らす犬山にも、名古屋巡業中の相撲部屋が二つある。
幼い頃から夏巡業の名古屋場所の季節になると、出羽海部屋、時津風部屋の力士の瓶づけ油の匂いが
町中にっていた。そして、若い力士に助けられたことも何度かあった。
犬山に戻る前に住んでいた場所、そしてその当時のアトリエは九重部屋の夏巡業の部屋が
近くにあった。相撲も九重部屋も睦しく感じていたこともあるが、
千代の富士が全盛期の頃、
私が20代前半の頃、名古屋場所を見に行った時に出会った場面が今も強く残っている。
初めて名古屋場所を見に行ったあの日。
お土産の袋を頂き、マス席でお弁当を食べる。その初体験に心躍りながら
ウキウキ気分で会場を散策していると、千代の富士とばったり会った。
視線も合った。
神々しく感じるとても美しい匂いが風のように吹いた。
日焼けした引き締まった肉体からの艶はこの世のものではないほど。
黒いまわし、その黒いまわしの美しさが肉体を表すかのようで、あれほどの美しい黒。
今でも目の前に生きている。
そして本日、他人の土俵で相撲を取るより、自分の土俵で相撲を取る。と覚悟した。
優しい言葉や良い条件をいただいても心がついていかな事実。
その事実と出会う出来事が起きたことは、誰のせいでもなく、
すでに決まっていたことなのだろうと。感謝をして他の土俵を辞退して、
自身の土俵の土を築こうと決めた。
私の夏場所の千秋楽。
今から黒を染めます。